ここではスペーシアMK32Sステアリングホイールの固定箇所、取り外し手順、必要工具、交換部品を紹介します。
スペーシアMK32Sステアリングホイールの取り付け箇所
スペーシアMK32Sステアリングホイールの取り付け箇所と配線カプラー位置
ステアリングセンターパッド裏側
- 赤色丸部位:ステアリングセンターパッド裏突起部(3箇所)
- 黄色丸部位:ステアリングホイール取付けボルト(19mm)
- 緑色囲み部:配線カプラー結合部(ステアリングホイール側・ステアリングセンターパッド裏)
になります。
スペーシアMK32Sステアリングホイール取り外し手順
ステアリングホイールを外す前に下記事項を行って下さい。
- ステアリングホイールを真っ直ぐに合わせる。
- フロントタイヤが真っ直ぐ(直進状態)になっていることを確認する。
- バッテリーのマイナスターミナルを外します。
その理由として、
ステアリングホイールを切った状態(フロントタイヤが切れている状態)で、ステアリングホイールを取り外すと、
- 取り外した状態(角度)で取り付を行わないと、ステアリングセンターがズレる。
- 直進状態で、ステアリングホイールが傾く可能性がある。
よって、取り外した状態(角度)でステアリングホイールを取り付ける必要があります。
次にバッテリーです。
バッテリーからの電源が供給されたまま、SRSエアバックの取り外しを行うと、展開(爆発)する可能性があります。展開した場合、ご自身が怪我をする可能性があり重大事故につながります。また車内への損傷や展開後のSRSエアバックは再使用出来なくなります。
バッテリーマイナス端子ターミナルの取り外し
上記写真:バッテリーマイナス端子ターミナルへ工具を掛けた状態
注意点
- エンジンキーはOFFの状態で作業を開始します。
- ACCやONの状態であれば、必ずOFFにしてから作業を進めます。
エンジンルーム内にあるバッテリーマイナス端子ターミナルを取り外します。 (赤のカバーが付いている方はプラス端子)
取り外し端子
- バッテリーマイナス端子ターミナル:10mm
10mmメガネレンチや10mmボックスレンチを使用して、バッテリーマイナス端子を止めている ターミナルを緩めてバッテリーから取り外します。
上記写真:バッテリーマイナス端子よりターミナルを取り外した状態
注意点
- バッテリーマイナス端子ターミナルを取外し後に、バッテリーマイナス端子に接触しないように、ターミナルを養生して下さい。
- 取り外したターミナルがバッテリー端子に接触すると、電源が回復する為、SRSエアバックが展開する可能性があります。
車内にて、ステアリングホイールを外していきます。
その前に
ステアリングホーンパッドの取付状態を確認した上で取り外していきます。
上記写真:赤丸囲み部が、ステアリングホーンパッド(ホーン兼SRSエアバッグ)
※取り付け構造を知ることで、ステアリングホーンパッドが、スムーズに外れます。
下記写真の
- 青色丸部の穴に、ステアリングホーンパッドの突起部が差し込まれています。
- 赤色丸部の、棒状のスプリングにより差し込まれたステアリングホーンパッドの突起部がロックされ、外れない構造です。
下記写真は、ステアリングホーンパッドの裏側になります。
- センターにあるものは、SRSエアバッグのユニットになります。(4点ナット留め部)
- 赤丸部が、ステアリングホーンパッドの突起部になります。
下記写真は、
ステアリングホーンパッド裏の突起部をサイドから見た状態です。(3点)
下記写真は、
ステアリングホーンパッドを止めている棒状スプリング(緑色囲み部)になります。
下記写真にて、ロック部の構造を確認して下さい。
- 青色丸部:ステアリングセンターパッド突起部が差し込まれている部分になります。
- 青色矢印:棒状スプリング
下記写真にて、ロックの外し方を確認して下さい。(写真は、正面左側部位になります)
赤色丸部内
- オレンジ色矢印:マイナスドライバー先端で、棒状スプリングを押します。
- 青色丸部内の棒状スプリングが、マイナスドライバーで押された事により、右側へ移動しています。
- 青色丸部内の状態を、上記写真と見比べて頂ければ、棒状スプリングが移動した事がわかります。
- 棒状スプリングを押した状態で、ステアリングホーンパッドを手前(自身側)へ引っ張ります。
これで、ステアリングホーンパッドのロック解除が出来ます。
ステアリングホーンパッドのロックは3箇所ありますので、残りの2箇所も同様に作業を行います。
下記写真は、正面右側のロック部です。
下記写真は、正面下側のロック部になります。
- マイナスドライバーが棒状スプリングを押し上げている様子です。(下側手元青色矢印)
- これにより、青丸内の棒状スプリングが上方に押し上げられ、ステアリングホーンパッドのロックが、解除されます。
ホーンパッドの取り付け状態を理解した上で、
ステアリングホイールから、ステアリングホーンパッドを外していきます。
下記写真は、ステアリングホイールを裏側から見ています。
- 赤色棒:マイナスドライバーの差し込み箇所になります。(3箇所)
- オレンジ色矢印:棒状スプリング位置になります。
- サイド左右には、2つの穴がありますので挿入位置を確認して下さい。
- 下側の挿入位置は、1箇所になります。
ステアリングホイールにステアリングホーンパッドが取り付けられた状態から始めます。
下記写真は、正面向い左側の挿入位置(ワイパースイッチ側)
- マイナスドライバーを差し込んでロックを解除しています。
- マイナスドライバーの差し込み先は、棒状スプリングになります。 (上記ロック部の構造をご確認下さい)
注意点
マイナスドライバーを差し込むにあたり、
- 差し込み内部にドライバーを沿わせるガイドはありません。
- 手探り状態になりますが、ライトを照らし穴内部を確認しながら棒状スプリングを押し込むと確実です。
■ステアリングホーンパッドロック解除し取り外し
- マイナスドライバーにて、棒状スプリングを押し込んだ状態にします。
- 片方の空いている手で、ステアリングホーンパッド(マイナスドライバーが差し込こまれている側)を持ちます。
- ステアリングホーンパッドをステアリングホイールに対して、上に引き上げます。
これで、ステアリングホーンパッド裏の突起部が、棒状スプリングから外れます。
下記写真は、正面向い右側の挿入位置(ウィンカースイッチ側)
- マイナスドライバーを差し込んでロックを解除しています。
- マイナスドライバーの差し込み先は、棒状スプリングになります。 (上記ロック部の構造をご確認下さい)
注意点
マイナスドライバーを差し込むにあたり、
- 差し込み内部にドライバーを沿わせるガイドはありません。
- 手探り状態になりますが、ライトを照らし穴内部を確認しながら棒状スプリングを押し込むと確実です。
■ステアリングホーンパッドロック解除し取り外し
- マイナスドライバーにて、棒状スプリングを押し込んだ状態にします。
- 片方の空いている手で、ステアリングホーンパッド(マイナスドライバーが差し込こまれている側)を持ちます。
- ステアリングホーンパッドをステアリングホイールに対して、上に引き上げます。
これで、ステアリングホーンパッド裏の突起部が、棒状スプリングから外れます。
下記写真は、正面向い下側の挿入位置
- マイナスドライバーを差し込んでロックを解除しています。
- マイナスドライバーの差し込み先は、棒状スプリングになります。 (上記ロック部の構造をご確認下さい)
注意点
マイナスドライバーを差し込むにあたり、
- 差し込み内部にドライバーを沿わせるガイドはありません。
- 手探り状態になりますが、ライトを照らし穴内部を確認しながら棒状スプリングを押し込むと確実です。
■ステアリングホーンパッドロック解除し取り外し
- マイナスドライバーにて、棒状スプリングを押し込んだ状態にします。
- 片方の空いている手で、ステアリングホーンパッド(マイナスドライバーが差し込こまれている側)を持ちます。
- ステアリングホーンパッドをステアリングホイールに対して、上に引き上げます。
これで、ステアリングホーンパッド裏の突起部が、棒状スプリングから外れます。
3箇所のステアリングホーンパッドのロックが外れると下記の写真の状態になります。
ステアリングホーンパッドは、
- ホーンカプラー(白色)とSRSエアバッグのカプラ(黒色)が接続されており、
- 2つのカプラーを取り外せば、ステアリングホーンパッドが外れます。
- SRSエアバッグの配線は、黄色カバーで覆われています。
- 安易に取り外せない様に、カプラーがロックされています。
下記写真で、ホーンカプラー(白色)を先に取り外します。
SRSエアバッグのカプラーを取外す前に
注意
- バッテリーマイナス端子からターミナルが外れている事を、確認して下さい。
- 外れていなければ取り外して、約20秒経ってから、作業をおこなって下さい。
- コンデンサーなど蓄電されている電気を完全に断つ為の時間になります。
- 上記を怠ると、SRSエアバッグ暴発の可能性があります。
上記作業が確認できた上で、
SRSエアバッグカプラーを取り外していきますが、
- SRSエアバッグユニット側で、カプラーを取り外していきます。
黒色カプラーがSRSエアバッグユニットに差し込まれています。
こちらのカプラーを取り外すには
- 赤色丸部の黄色部分がロックになっており、これを解除しないとカプラーは外れません。
精密ドライバーのマイナスを使用して、カプラーロックを解除します。
下記写真の様に、
黄色部に精密ドライバーマイナスを差し込み、テコの原理で黄色ロック部を引き上げます。
注意
無理にこじると破損しカプラーロック出来なくなりますので、
ゆっくり丁寧に浮かせてロック解除をおこなって下さい。
下記写真は、カプラーロック部(黄色部)のロックが解除出来た状態
カプラー(黒色部)を指で挟み、上に引き上げると、カプラーがはずれます。
これで、ステアリングホーンパッドから全てのカプラーが外れました。
注意
- 取り外したステアリングホーンパッドは、下記写真の様に表面を下に向けて保管して下さい。
下記写真は、ステアリングホーンパッドを取り外した状態のステアリングホイールです。
ステアリングホイールを留めているセンターのナット(19mm)を外していきます。
下記写真の
- 赤色丸内:19mmナットが取り付けられています。
こちらの19mmナットを取り外します。
19mmソケットとT型スライドハンドルを使用してナットを緩めます。
- この状態で、工具を掛けて緩めようとしても、ステアリングホイールが供回りして緩みません。
- ステアリングロックを掛けた状態で、工具を掛けて緩めます。
ステアリングホイールを取り外す際の注意点
- ナットは取り外さずに、緩めた状態でステアリングシャフトに付けておきます。
- ステアリングホイールを外すには、手前(自身側)へステアリングホイールを引っ張る必要があります。
- ステアリングホイールは、ステアリングシャフト(ナットが留まっている部分)に、テーパー篏合しています。
- テーパー篏合が外れると、ストッパーが無い為、ステアリングホイールや自身の手が、顔などにぶつかり怪我をする可能性があります。
- その為、ストッパー代わりのナットを取り付けておきます。
下記写真を参考にして、ナットを緩めた状態で取り付けておきます。
■何故ステアリングホイールを引っ張って外す必要があるのかを、解説します。
- 下記写真は、取り外されたステアリングホイール裏側になります。
- 赤色矢印の内側は、テーパー形状(円錐形状)となっています。
下記写真は、ステアリングホイールが取り付けられているステアリングシャフトになります。
赤色矢印の外周は、テーパー形状(円錐形状)となっています。
ステアリングシャフト外周のテーパー形状に上記写真のステアリングホイール内側のテーパー形状が被さり、ナットを締め付ける事で、ステアリングホイールが沈んでいき、テーパー形状同士の噛み合いが強くなります。
下記は、
ステアリングホイール内側とステアリングシャフト外周のテーパー篏合についての図です。
- 黄色テーパー形状:ステアリングホイール内側を示します。
- 水色テーパー形状:ステアリングシャフト外周を示します。
- 左図は、ステアリングシャフトにステアリングホイールを取り付けをおこなう状態です。
- 右図は、ステアリングシャフトにステアリングホイールを取り付け、ナットで締め付けをおこなっている状態です。
ナットを締め付ける事で、
- 右図のステアリングホイール(黄色)が白色矢印方向に下がります。
- 赤色部位のステアリングシャフトテーパー部とステアリングホイールテーパー部の重なり具合が、きつくなっている事が分かります。
- これによりステアリングホイールがきつく篏合し、ステアリングシャフトとのガタが出ないようにしてます。
この篏合がしっかりされている為、ステアリングホイールを引っ張り外す必要があります。
下記の写真のようにステアリングホイールを両手で持ちます。
ステアリングホイールの篏合を外す為に
下記写真を参考にして下さい。
黄色矢印①
- 左手でステアリングホイールを前方に押します。
- 同時に右手でステアリングホイールを引きます。
次に
青色矢印②
- 右手でステアリングホイールを前方に押します。
- 同時に左手でステアリングホイールをひきます。
黄色矢印① ⇒ 青色矢印② ⇒ 黄色矢印① ⇒ 青色矢印② ⇒ ・・・・
上記動作を繰り返すと、ステアリングシャフトとステアリングホイールのテーパー篏合が外れます。 篏合が外れると、ステアリングシャフトに取り付けたナットで止まります。
ナットを取外したら、
- ステアリングシャフトとステアリングホイールに、マジック等で線を引いておきます。(青色線)
- ステアリングホイールを取り付ける際に、線を合わせれば、外した時と同じ位置で取り付けが出来る為、ステアリングのセンターがズレません。
これでステアリングホイールが外れました。
スペーシアMK32Sステアリングホイールばらしに使用する工具
ベッセル(VESSEL) ノンスリップ貫通ドライバー マイナス6×100 No.B-370
ベッセル(VESSEL) 精密ドライバーセット TD-56S 6サイズ入り TD-56S
T形スライドハンドル 差込角 9.5mm、全長 200mm、SL30
トネ(TONE) エクステンションバー 306 差込角9.5mm(3/8″) 全長150mm
トネ TONE (前田金属工業) 19mm 6角ソケット
KTC めがねレンチ(45°×6°スタンダードタイプ)10mm×12mm M5-1012
スペーシアMK32Sステアリングホイール脱着に交換必要なパーツ
特にありません。
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